時計

LOST IN TIME 時計歌詞
1.羽化

作詞:海北大輔
作曲:海北大輔

生活の匂いのする
帰る場所を見つけたとき
少女は女に
変わりゆくのでしょう

途方もない憧れを
静かにそっと諦めたとき
少年は男に
変わりゆくのでしょう

静かに流れる
時間に耳を傾けて

いつしか僕等は
新たな場所を目指す

変わり栄えの無い日々を
不意に愛おしく思えた時
誰しもが皆一つ
歳を採るのでしょう

時に不甲斐無い自分自身を
言い訳もせず許せた時に
誰しもがまた一つ
歳を穫るのでしょう

静かに流れる
川のように身を携えて

いつしか心は
新たな場所を目指す

いつしか二人は
新たな場所を目指す

手を取りあって


2.はじまり

作詞:海北大輔
作曲:LOST IN TIME

いつもの様に 夢を断ち切る音
何気ない僕の今日が また始まる
顔を洗う 鏡の向こうに
少し疲れた 僕の顔だ

素っ気ない程 平凡な占いに
続けざま 出発を告げる時報
読みかけの本を 鞄にしまって
さあ ドアを開けよう

いつもの駅へ 向かう路の途中
いつの間にか変わった 季節に気が付いた
何一つ 代わり映えのしない
よく晴れた朝に ありがとう

止まぬ夕立も 枯れない花も
若いままの君も 終わらない歌も
何処にも無いのは 分かってるけど
それでも信じてみたい

短くなってゆく影を 誰一人 気にも留めずに
それだけのこと それだけのこと

あぁ 君に逢いたくなった

暮れ行く町の 雨上がりの虹の様に
世界のどこかで 産声をあげる
いつしか全てが 歌の様に終わるなら

それでも構わない

それでも僕は今

君との始まりを歌おう


3.柊

作詞:海北大輔
作曲:LOST IN TIME

渇き出した喉 遠ざかる過去
望まない朝にため息を少し

形にならず 空まわる言葉
並んで歩いた すれ違う思い出と

どれだけ強がって 訳を探しても
此処にもないことは 知ってしまったんだよ
背中に焼き付いた 罪のせいだろうか
昨日を捨てる事が出来ない僕は
不意に強くなる風に 目を閉じる

丸めた背中を 突き刺す月が
色褪せぬ夜に 映し出した影

姿も見せず 気まぐれな心
情けないくらい 秒針は速くなる

幼かった自分を ようやく見つけた
もう君の残像に 悩みはしないんだよ
背中に焼き付いた 罪のせいだろうか
付き纏う過去形に 成す術もないまま

不意に過ぎるさよならに きっと
少し安心しながら 僕は耳を塞ぐ

柊が小さく揺れている

柊が


4.ライン

作詞:海北大輔
作曲:海北大輔

心通わせて
穏やかに笑おう

すぐそこまで来た
夜には目もくれず

このまま

言葉を重ねて
そっと手を繋ごう

憎しむ大人には
見つからないように

このまま二人で
ああ どこまで逃げよう

嘆きの壁に向かい
何を思えばいいんだろう

僕には 君には
もう何も無い

いつしか僕らは
解りあうだろうか

心通わせて

許しあうことも
出来ないまま僕等は

大丈夫
誰もが生きて行けるさ


5.サンカク

作詞:海北大輔
作曲:LOST IN TIME

白く弾んで 消えた息
帰り道は いつも静かで

都会の灯りに 光る雲
古い季節の 忘れ物一つ

心の中に 迷い込んだ
風の音が 酷く綺麗で

扉の向こうに 見えたのは
がむしゃらだった あの日の僕

刻一刻 消えていく想いに
もうきっと 手も振らないんだろうな

君の言葉が 今になって
僕の心に 穴を空ける

遠く離れた この場所から
見上げた夜空は 白い三角

静かに光るだけ

通り向こうの 靴音に
冬の面影

夢よどうか 覚めないでくれ
どうかこのまま

きっと僕等は 今もずっと
見知らぬ道を歩いている

時に悲しくなったのなら
見上げる夜空に 冬の三角

君に 想いを馳せて


6.蛍

作詞:海北大輔
作曲:LOST IN TIME

泥の様に 眠った夜に 少し夢を見た
いつか僕が 仕舞い込んだ 言葉が顔を出した

それぞれに 輝き出した それぞれの未来
やっと僕は あの日の君の答えが 解った気がした

さよなら 愛しき人よ
あなたの 後ろ姿に
何度も 手を振るよ
最後まで 言えなかった

ありがとう

嘘みたいに 無邪気だった頃 知らなかった想い
今の僕は あの日描いた未来に 辿り着けたろうか

さよなら 愛しき人よ
あなたの その笑顔に
何度も 助けられたよ
最後まで 言えなかった

想いを

さよなら 愛しき日々よ
あなたが いてくれたから
何度でも 頑張れたよ
最後まで 言わなかった




7.残像

作詞:海北大輔
作曲:LOST IN TIME

心とは裏腹の
綺麗な笑顔も 出来る様になった

憂鬱なこの日々が
誰かのせいなら良かったのにな

言葉の奥に 見え隠れする
微かな影に ただ怯えているだけ

思いつく言い訳は
考えた全部 もう使い切った

見透かされるから
ずっと誰にも逢いたくはなかった

心の果てに 消したはずの
微かに残る その温もりは

息をする事すら忘れてしまう程
焼き付いて離れない
君についた嘘

幼かった夢を
逃げ出すための 口実にして

足りない自分に
溺れるだけで泳ごうともしなかった

あぁ 君は何処だ?
あぁ 君は何処だ?

息をする事すら忘れてしまう程
焼き付いて離れない
尽きる事のない不安に

渇ききった涙 拭いきれぬ思い
不意に恋しくなった

君についた あの嘘


8.証し

作詞:海北大輔
作曲:LOST IN TIME

不意に誰かに呼び止められた気がして
振り返った夏の夕暮れ

立ち止まったままの時間に手をかけて
君に”狡い”と呟いた

静かに願うよ
あぁ言葉よりも もっと心の近くで
僕は歌いたい

頑張っている振りなんて
しなくてもいいんだよ
ありのままの その姿が
君の生きた証

何も変わらない事が退屈だった
その幸せに気付かずに

愛されている自分を知る術のない
寂しがりやの君が好き

まだ覚えているんだよ
あの日歌ってくれた歌

あぁ希望よりも もっと当たり前な何かを
僕は探したい

頑張っている振りなんて
しなくてもいいんだよ
出会えた人 その全てが
僕の歌う理由さ

何にも持っていないだなんて
思わなくていいんだよ
歩いた場所 その全てが
君が生きる証


9.NEWS

作詞:海北大輔
作曲:LOST IN TIME

まだ 明けきらない夜の
隙間にうずくまって
僕は ただ

黙って 笑って
穏やかな一日を願うんだ

まだ 痂になって
日の浅い思い出を

君は また
剥がして 泣き出して
あの頃の僕みたいだな

そっと手を翳しながら
眩しそうに閉じた
その瞼に

どうか 焼き付けて
日々起こる全ての事

まだ 亡くさないで
まだ 抱きしめていて

ああ 忘れないで
生きる意味 その全てを


10.冬空と君の手

作詞:海北大輔
作曲:海北大輔

誰か 時計を 見せてくれないか
誰か 時計を 見せてくれないか

誰か 左手を 掴んでくれないか
誰か 右手で 掴んでくれないか

僕の 左手を 握ってくれないか
君の 右手で 握ってくれないか

思いは遠くまで 虚しく響くよ
本当に届いて欲しい 君をすり抜けて

僕の これからを 見ててくれないか
君の その目で 見ててくれないか

涙色に 霞んで行く世界を
君とどこまで 歩いて行けるだろうか

明日を誰も知らない 真っ暗な旅路の途中で
今此処で巡り逢えた 小さな君の手を

僕の これからに 預けてくれないか
冬の空に

ずっと 唄うよ